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脳神経を狂わされた彼らは帰る場所を忘れる
私たちは目に見えざるものの不確かさを思い出す




付着生物であるフジツボは、1度決めた場所から
2度と動くことができない。
ボタンほどの小さな巻き貝に付着してしまった
フジツボ。命終わるまで結ばれた縛り。




実家で飼っている猫。
窓から差し込む陽に照らされる姿が印象的だった。
この子は、首輪をしてもすぐ失くしてしまうので、
母が作った安いビーズ玉の首輪をつけている。
しかし、この時はただのビーズ玉が特別煌めいて、
おしゃれを楽しむ少女の面影を感じた。
実家の愛猫をいじめる不届き者がいた。
両親はそいつを「仮面にゃんこ」と呼んでいた。
いじめっ子ではあったが、野良猫集団の中ではリーダー的存在で、赤毛の猫を引き連れ実家の庭を闊歩していた。毛並みが美しいイケメンにゃんこだったので、猫だけでなく、近所の人にも人気があった。
私が初めて「仮面にゃんこ」と出会ったのは、お盆に帰省したときだった。斜め向かいの家の敷地でくつろいでおり、近づいても警戒はするが、逃げたりはしない。恰幅のいい佇まいで格好よかった。私はすかさずカメラを向けて、記録した。
しかし、その数週間後、母から仮面ニャンコの死を知らされた。私が目撃した日の1週間後くらいに、近くの草原で死んでいたそうだ。
あまりにもあっけなかった。
夕暮れ時の太陽に照らされこちらを見つめるあの瞳をあの静けさを私は忘れないだろう。
1996年 | 広島県に生れる。 |
2018年 | 641諏訪敦研究室 特別講義「篠田教夫 鉛筆画の臨界点」成果展 |
2019年 | 広島市立大学卒業制作展、広島市立大学美術学科油絵専攻卒業 |
個展(coffee shop LEGATO) | |
2020年 | ANMico(東邦ア-ト) |
2021年 NEWリアリズム展(福山天満屋)、I LOVE CATS!(玉川髙島屋)
写実・Premium(岡山天満屋)、愛しきものたち(東邦アート)