春になり虫たちが踊りだす頃、私も取材の季節になります。牡丹から始まり薔薇、クレマチス、百合、花菖蒲、桔梗、蓮・・・
私が描く花たちは、行儀の良い切花ではなく地植えの草花になります。太陽に向かうその力強い生命力、躍動感に恋焦がれるのです。また絵の具箱の中には存在しえない、眩しく美しい発色、絵の具では再現出来ないであろうその輝きを見た時、作家としての魂が躍るのです。
そして画面の中で、その美しいものを当たり前のように美しく描く魔法と、日本の装飾芸術の琳派に触発され、透明感があり立体、写実的に表現できる油彩との融合で、その世界観が描けたら魅力的な画面が創れる、そんな思いで絵具を置いています。安西大