現代、われわれはインターネットの交流のさまざまな場をもち、同時に現実の場をもつ、「多 重⽣活者」として暮らしている。このような様相を鑑みる試みを作品のコンセプトとして制 作をしています。パソコンで過剰処理し、それをプリントした熱転写シートを絵の具がわり に⽤いることで、情報における多層性とそれにより引き起こされる複雑な社会形態を「都市」 という場を⽤いて表現しています。 また現在では、「The ways of seeing the space of nothingness -⾒えざる空間-」というテーマ を中⼼に制作をしています。テーマの意味は、都市における無の空間への視点、つまり都市 形成における表層的な部分と⽬に⾒えない概念的な構造や情報を客観的に表現することを 意味しています。都市空間は時代の流れによって変化し、概念もまた変化する。客観的に捉 えることで、「多重⽣活者」としての視点を表現することが現在の作品のテーマです