心象
— 揺たゆた蕩えども 沈まず —
これは パリ市の紋章の意味です
サロンドートンヌのグランプリ受賞後
僕の絵は時代の流れを逆上る
思わぬ方向へと 進み始めました
幾度も 方向を変えようと 試みましたが
いつも何か大きな引力に吸い込まれるように
引き戻されていきました
そんな折に 幾度となく 脳裏をかすめたのが
この紋章でした
それから40 年近くの時が流れ
紆余曲折、混沌の中から浮かび上がってきたのが
“ 心象” でした
これが引力の正体で 画家と美術史の
奥底に潜む伏流だと確信します
画家として 最終章の始まりの心算りで
作品制作に努めたいと思います
岡 義実